PUBLIC ART
パブリックアート
博多リバレイン
アートプロジェクト
「アジアガーデン」
福岡及び博多は、古来より海を通じて海外に開かれてきた町です。そして、現在も、その窓はアジアに向けて開かれており、アジア諸国との文化や経済の交流は日本で最も盛んな町といえます。このような背景を持った博多の中心に位置する博多リバレインでは、アジアの人々や文化が集う、「アジアガーデン」をテーマとしたパブリックアートを楽しむことができます。このアジアガーデンを巡ることは、大人のための知的散歩道であり、子どものための多彩な迷宮でもあります。
- リバレインセンタービル
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- 柱は柱崔正化(チェ・ジョンホァ)
- Riverside boogie-woogie江上 計太
- 千字橋鄭廣鎬(チョン・クワンホー)
- 瑞雲吉水 浩
- Playtimeパーミンダー・コー
- ホテルオークラ福岡ビル
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- 東方の星方 振寧(ファン・ツェニン)
- 博多座・西銀ビル
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- Home and awayスダンシャン・シェッティ
- Rambling Square Garden江上 計太
柱は柱
1
- 崔正化(チェ・ジョンホァ) 韓国
- 設置場所:博多川側角柱
この作品はリバレインセンタービルの博多川角に建つ、大きな角柱自体を作品にしたものです。4色のテラコッタで、世界の様々な地域に古くから伝わる柱の様式を組み合わせて大きな1本の柱にしました。用いられた柱は、コリント、ビザンチン、ドーリア、和式のそれぞれの様式の柱ですが、それら重厚な歴史をもった西洋と東洋の柱をカラフルに軽やかに表現することで、博多が様々な国と交流してきたことを表しています。そのサイズだけでなく内容的にもスケールの大きな作品です。
Riverside boogie-woogie
2
- 江上計太 日本
- 設置場所:博多川側床面
このフェスタスクエア床面にカラフルなタイルを使って描かれているのは博多川と中洲です。川というモチーフは「リバレイン」の名前の由来であると同時に、博多座・西銀ビルにも同様のコンセプトの作品を設置することで、博多リバレイン全体を概念的に結ぶ作品としました。また、川と中洲は、この地に古くから伝わる共同体の単位であり、今も伝わる「流(ながれ)」の意識とも通じています。描かれたパターンは規則的に展開させることでリズムを感じさせ、フェスタスクエアを華やかに演出する作品となっています。
千字橋
3
- 鄭廣鎬(チョン・クワンホー) 韓国
- 設置場所:可動式ブリッジ
これはフェスタスクエア吹抜けに吊る橋自体を作品にしたものです。橋は博多祇園山笠の時に、はね上がる仕掛けになっています。作家は自筆で書いた多くの漢字を、橋全体に散りばめました。これらの漢字は、韓国に古くから伝わる漢字習得のための四文字熟語です。日本とルーツを同じくする漢字は、韓国では異なる発達をしてきたようですが、用法は共通していることが読み取れます。そして日本を含めた北東アジアの国々がみな漢字の文化圏であることや、日本と近隣諸国とは文化的に密接なつながりを持っていることを思い起こさせてくれる作品です。
瑞雲
4
- 吉水浩 日本
- 設置場所:市道398号線側
これは空に渦巻く雲をモチーフにした作品です。作家は雲が古く中国から伝わっためでたいもの=吉祥のシンボルのひとつであることに着眼し、アジアガーデンのコンセプトに結びつけ作品としました。ゆったりとした曲線のフォルムは、たなびく雲を連想させ、建物の側面にアクセントを添えています。また、この色使いは2面を2色に塗り分ける、野外彫刻としてはめずらしい形態になっています。用いられている紫は日本の伝統を、草色は自然を象徴した色であり、博多の歴史とアジアの自然を現代風にうまく組み合わせています。
Playtime
5
- パーミンダー・コー イギリス
- 設置場所:リバレインオフィス、光庭
作家はイギリス出身ですが、ルーツはインドであり今もインドとイギリスを行き来しています。この作品は2体1組の群像をオフィスの中庭と外側に配したものです。この人型は性別等が判別できない、人間の最も単純な形態となっておりますが、人間同士が友好的に親近感を持って寄り添っていることがわかります。用いられた色は作家がアジアからインスピレーションを得て選んだ、深い濃密な色の組み合わせです。また、メタリック塗装とすることで光に反射し奥行きのある表情と共に現代的な感覚を創り出しています。
東方の星
6
- 方振寧(ファン・ツェニン) 中国
- 設置場所:換気塔外壁面
作家は、ホテルサイト屋上に張り出した換気塔の外壁面に2色のドットを用いて作品を制作しました。このドットの配置は星座を表すと同時に漢字の部首(へん、つくり)を抽象化したものです。漢字創造の起源のひとつは天空の星であり、その星を漢字を解体したドットにより再構成しています。それを漢字を基礎とする中国文化全般が自然の事象を源泉にしていることを示しています。また、見る位置によって作品の表情が変化するように、作家はドットの角度と配置を考えました。ドットの緑は自然を、黄色は光を表しています。
Home and away
7
- スダンシャン・シェッティ インド
- 設置場所:市道408号線側庭
イーストサイトの東側、市道408号沿いの地下鉄入り口にある。鉄のパイプは地球、紫の球体は卵を表している。
Rambling Square Garden
8
- 江上計太 日本
- 設置場所:ポケットパーク
作家はリバレインセンタービルのフェスタスクエア、博多川側床面もデザインしました。そしてこのふたつの作品を呼応させて、博多川を表現しました。この川の流れはポケットパークを上流に見立て、リバレインセンタービルへと続いています。デザインはタイルをモザイクのように組み合わせることで明るくリズミカルなイメージを作りだしています。同時に床パターンを立ち上げベンチとすることで、空間の広がりを作り出しています。ベンチには太陽を想起させるようなオレンジの矩形を軽快に配し、暖かさを感じさせます。この作品はポケットパークを異化し、ビルに奥行きを与えると共に、劇場にふさわしい彩りを添えています。